相次ぐ外国人の自動車運転による重大事故 | 揺らぐ外免切替(外国免許切替)制度の危機

外免切替(外国免許切替)制度が、いま “ 安全神話 ” を揺さぶられています。

10 kmもの逆走を引き起こした三重・新名神高速の多重事故、児童4人を負傷させた埼玉・三郷市のひき逃げ

――いずれも加害者は外免切替(外国免許切替)で日本の免許を取得していました。

切替件数は10年前の2倍、43,000件超。

利便性の裏で “ 実技試験ほぼ免除・○×10問だけの学科 ” という緩さが、重大事故の温床になりつつあります。

この記事では〈事故の詳細〉〈制度の抜け穴と警察庁の見直し案〉〈ドイツや豪州の先行事例〉を徹底解説しつつ、私たちが明日から出来る安全対策を提案しています。

ぜひ最後までお読みいただき、この記事が皆様にとって価値ある情報となれば幸いです。

目次

外免切替(外国免許切替)制度の危機

1. 外免切替(外国免許切替)制度とは

日本に長期滞在する外国人が母国で取得した運転免許を、日本の免許へ “ 切り替え ” られる制度が外免切替です。

所定の書類、視力検査、そして10問中7問正解で合格する簡易な学科試験(日本語または英語)が基本で、実技試験は原則免除。

2024年の切替件数は約4.4万件で、10年前の2.1倍に増えています。

ポイント:

  • 学科は○×形式のみ
  • 技能試験免除が原則
  • ホテル滞在者でも申請可能(住民票確認が緩い)

利便性の一方で「運転技能や道路法規の十分な確認が行われていない」と以前から指摘されてきました。

2. 相次いだ重大事故の概要

2-1. 三重県亀山市・新名神高速逆走事故

2025年5月18日午前、新名神高速下り線で10 kmにわたる逆走

乗用車2台と衝突し計6台が絡む多重事故を招き、4人が負傷しました。運転していたペルー国籍のロッシ・クルーズ・ジョン・エリアス容疑者(34歳)は事故後に逃走し、翌19日に出頭・逮捕されています。

同容疑者は外免切替で普通免許を取得していたことが警察の調べで判明しています。

2-2. 埼玉県三郷市・小学生ひき逃げ事件

5月14日夕方、埼玉県三郷市の市道で下校中の男子児童4人の列に車が突入し、容疑者はそのまま逃走。

小学生2人が骨折する重傷を負いました。

逮捕された中国籍のトウ洪鵬容疑者(42歳)は飲酒状態で、中国免許を外免切替制度で日本免許に変えていたことが判明しています。

3. 共通点と浮き彫りになった課題

3-1. 技能・知識確認の甘さ

両容疑者とも実技試験を受けずに日本免許を入手。

高速道路での逆走や飲酒運転など、日本の交通法規を十分に理解していなかった可能性が高いと専門家は指摘します。

3-2. 言語と交通文化ギャップ

筆記試験は日本語か英語。

スペイン語や中国語での詳細な路上標識解説はなく、標識・標示の意味を誤解したまま走行する恐れがあります。また母国では右側通行の国も多く、左側通行の感覚へ慣れるまで時間を要する点も課題です。

4. 警察庁が示す見直しの方向性

坂井学・国家公安委員長は「制度と運用両面の再検討」を表明し、警察庁が下記案を中心に協議を進めています。

4-1. 実技試験の義務化案

日本の交通環境(左側通行・高速道路 ETC レーン等)に即した15~20分の実走行試験を必須化。

4-2. 高速道路適性検査の導入

合流・追越し・逆走防止をテーマにしたシミュレーター試験を新設し、一定水準に達しない場合は補習を義務付け。

4-3. 免許更新時チェック強化

更新講習に多言語 e-ラーニングを採用し、交通法規クイズで誤答が多ければ再教育。住所要件も「長期滞在を証明できる在留カード」「住民票」「勤務先証明」を必須へ。

5. 外国人ドライバーを取り巻く現状データ

外免切替交付件数:2024年は43,867件(前年比 +12%)。うち中国籍が約55%、ベトナム・ネパールが続く。
重大事故件数:2024年に外免切替ドライバーが第一当事者となった死亡・重傷事故は278件(警察庁統計)。過去5年で1.4倍に増加。
居住年数 1年未満が約3割──交通指導員からは「生活圏の道路特性をまだ把握していないまま運転するケースが多い」との声。

6. 海外の先行事例に学ぶ改善策

国・地域制度の特徴学べるポイント
ドイツ外国免許で半年間の “ 仮免運転 ” のみ可。その間に国内教習30時間+実技試験必須段階的移行で技能確認
オーストラリア NSW州過去3年の無事故証明を提出しなければ切替不可。証明がなければ路上試験行政コストを抑えつつ安全担保
シンガポールペーパーテストは母語を選択可。標識問題が80%以上で合格多言語対応強化のヒント

7. 安全運転を守るために私たちが出来ること

7-1. ドライブレコーダーの設置

逆走車や危険運転を証拠として残しやすく保険請求もスムーズ。

7-2. 危険運転を見かけたら?

高速道路で逆走車を発見したら即ハザードランプを点灯し、路側帯へ退避。#9910へ通報すると全国の道路管理者へ情報が共有され、後続車への注意喚起に繋がります。

まとめ :外免切替(外国免許切替)制度の危機

外免切替制度は訪日外国人の利便性交通安全のバランスをどう取るかという難題を抱えています。今回の相次ぐ事故は、その綻びを浮き彫りにしました。

警察庁の見直し案は夏までに方向性が示され、早ければ2026年にも新制度がスタートする見込みです。

今後のチェックポイント

  1. 実技試験の導入方法──免許センターの人員・コストに直結
  2. 多言語交通教育の整備──翻訳精度と学習プラットフォーム
  3. 既に免許を持つ外国人への経過措置──追加講習か、更新時再試験か

制度改正の先にあるべきは「誰もが安心して走れる道路」。

外免切替の利点は活かしつつ、適切なハードルと教育機会を設けることが、事故ゼロへの第一歩です。読者の皆さんもニュースの続報に耳を傾けつつ、日々の運転を見直してみてください。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

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