鳥越裕介ヘッドコーチの名参謀力で躍進西武ライオンズ、今季2位へ徹底解剖

昨季、埼玉西武ライオンズはリーグ最下位に沈み、チーム打率は.212と低迷しました。

ところが2025年の今季は5月25日時点で24勝20敗、勝率.545の堂々2位――“ベルーナの青い稲妻”が帰って来ました。

快進撃の裏にいるキーマンこそ、今季から就任した鳥越裕介ヘッドコーチです。

ソフトバンク時代に「鬼軍曹」と呼ばれた厳しさと、選手の心に寄り添う気配りを兼ね備えた名参謀。その名参謀を迎えた西武ライオンズが躍進劇しています。

その好調の陰には、今季から指揮を執る西口文也監督を支える“名参謀”――鳥越裕介ヘッドコーチの存在があります。

この記事では、プロ入り前から現在に至るまでの歩みをたどりながら、鳥越ヘッドコーチの人物像と、その手腕に迫ります。

ぜひ最後までお読みいただき、この記事が皆様にとって価値ある情報となれば幸いです。

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目次

鳥越裕介ヘッドコーチの名参謀力


鳥越裕介とは

1-1 プロ入りまでの歩み

1971年7月1日、大分県臼杵市生まれ。臼杵高から明治大を経て1993年ドラフト2位で中日に入団。

188㎝93㎏の体格と広い守備範囲を買われ、94年7月24日に初出場を果たします。

1-2 現役時代のハイライト

プロでの経歴
  • 中日(1994-1999)
    96年に自己最高打率.276。遊撃を中心に内野3ポジションを兼任し、堅守で首脳陣の信頼を獲得。
  • ダイエー/ソフトバンク(1999-2006)
    00年に115試合出場・4本塁打25打点。99年、03年の日本一に守備固めで貢献しました。
    通算成績は1,057試合・504安打・21本塁打・打率.226。数字以上に価値を示したのは守備力と献身性でした。

1-3 年度別打撃・守備成績のポイント

遊撃として100イニング以上守った年の成績(抜粋)

球団試合打率本塁打失策守備率*
1996中日77.27636.967
2000ダイエー115.24347.974
2002ダイエー129.25145.984

2. コーチとしての「気配り」と「厳しさ」

2-1 ソフトバンク・ロッテ時代――“鬼軍曹”の真意

引退翌07年にソフトバンクの守備走塁コーチへ。

コーチ時代

秋季キャンプではノック1,000本超の猛特訓を課しながら、選手のフォーム動画を自ら深夜まで編集して配布する「寄り添う分析屋」でもありました。

ロッテ時代には三木亮や藤岡裕大が「鳥越塾」で守備指標が向上。

フォームの「癖」を見逃さない観察眼と、褒めるタイミングの巧みさが選手の心をつかみました。

2-2 西武就任――雰囲気改革から始まった

雑誌
引用元:dマガジン

2025年キャンプ初日、鳥越ヘッドは「怒るより、まず理由を示す」と明言。

それでもノックの最中にグラブが地面を叩く音が鈍いと、即座に練習を止めてフォームを修正させる。

メリハリの効いた指導が若手の危機感を呼び覚まし、打撃コーチ陣とは分刻みでミーティングを行い「打撃練習の球数」「守備位置ごとの送球ルート」まで可視化しました。

2-3 可視化データで攻守の数字が劇的改善

開幕20試合時点でチーム守備率は.987(前年.980)、併殺完成数はリーグ最多。

得点圏打率も.268(前年.221)に跳ね上がり、「点が取れる守備型集団」への変貌を象徴しています。

選手が自発的に鳥越ヘッドのタブレットへ映像を取りに来る姿は、昨季のロッカーとは別世界だと報じられました。


3. 人物像――乳がん啓発と家族への想い

2008年、最愛の妻・万美子さんを乳がんで亡くしました(享年34)。

翌09年から毎年ピンクリボン活動を企画し、今も12球団横断イベントを目標に奔走しています。

「家族の命を守るのも野球人の役目」という言葉は、西武ナインにも深く響いていると言います。

家族構成は長男・長女の二児(一般非公表)。

子育てと指導者業を両立した経験から、選手のメンタルケアで「まず話を聴く」を徹底。

過去にチーム内で故障者が続出した際も、練習量より栄養と睡眠を優先させるプランを提示し、「鬼軍曹=理詰めの優しさ」と評されました。

4. 2025年の年俸とコストパフォーマンス

NPBの一軍コーチ年俸相場は1,000万〜3,000万円、ヘッド格で3,000万〜5,000万円と言われます。監督の推定7,000万円に対し4割前後が一般的。

鳥越ヘッドの正式額は公表されていませんが、3,500万前後と見られます(スポーツ紙推定)。

チームがAクラス入りすれば出来高が付き、1勝当たり約140万円の“投資”で守備と得点力改善が買えた計算――費用対効果は抜群です。

5. 西武を変えた“名参謀力”のメカニズム

  1. 全体像を一枚の図にする – 打撃と守備の課題を“見える化”
  2. 個別課題はショートミーティング – 5分で済む改善点は即実行。
  3. 「怒らない代わりに数字で示す」 – 感情より納得を優先。
  4. 厳しさは競争で体験させる – ポジション横並びの実戦ノックで序列を毎週更新。
  5. チーム外にも目を向ける – 地元イベントやSNSでの情報発信を推奨、選手が自分の言葉で発信する“西武らしさ”を育てる。

こうした総合力が「打てて守れる二位西武」を現実のものにしました。

6. 今後の展望――リーグ優勝へのロードマップ

西武ヘッドコーチ

・攻撃面 – 長打率リーグ4位→2位へ引き上げが目標。夏場以降のパワーロス対策として、鳥越ヘッドは“逆方向へのライナー”を合言葉にミート率を上げる練習メニューを計画中。
・守備面 – ナイター後に室内で“千本ノックに替わる50球高強度ノック”を導入予定。
若手育成 – ルーキー井上朋也を「守備型三塁手」から「走塁含めた二刀流リードオフ」へ転換する青写真もあると報じられています。

まとめ:鳥越裕介ヘッドコーチの名参謀力

昨季の泥沼から、今季の躍進――数字の裏には、鳥越裕介ヘッドコーチの“気配り×厳しさ”という相反する資質を融合した名参謀力があります。

プロ生活30年で培った守備理論、映像解析スキル、そして家族を失った経験から生まれる人間味。

それらすべてが埼玉西武ライオンズのDNAに少しずつ染み込み始めました。

今後、ライオンズが悲願のリーグ制覇を達成したとき、MVPは選手の誰かではなく「背番号91の参謀」かもしれません。

ファンとしては、試合の勝敗だけでなくベンチ裏のコミュニケーションにも注目し、その軌跡を見届けたいところです。

「厳しくても、最後に“ありがとう”と言われる指導者でありたい」 ―鳥越裕介

その言葉通り、ライオンズの未来は“ありがとう”で溢れるシーズンになりそうです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

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