給料には手をつけず、投資だけで資産1億円。
そんな夢のような話を実現したのが、個人投資家のkenmoさん(湘南投資勉強会)です。
元手は会社員時代に貯めた300万円。
追加資金は一切入れず、わずか2年で3,000万円。
さらに1年で5,000万円へと増やし、5年目には1億円を突破。
現在は約3億円を運用するに至っています。
そんなkenmoさんの到達プロセスを、誰でも再現できるよう体系化したのが、ダイヤモンド社から出版された『5年で1億円貯める株式投資』です。
本書は、投資経験がない人でも段階的に学べるよう、投資の仕組み、銘柄の選び方、売買のルールまで、具体的に掘り下げて解説しています。
この記事では、そのエッセンスを要約・考察し、投資家にとってのヒントを探っていきます。
※投資には元本割れリスクが伴います。最終的なご判断はご自身の責任で行ってください。
5年で1億を目指す株式投資!?

書籍
『5年で1億貯める株式投資――給料に手をつけず爆速でお金を増やす4つの投資法』
著者:kenmo(湘南投資勉強会)
出版社:ダイヤモンド社 306ページ 2025年4月刊
ISBN:978-4478121184
まず押さえるべき「4つの投資法」の骨子

本書の核となるのは、
短期〜中期の需給・モメンタムを軸に、ファンダメンタルズで銘柄を絞り込むという考え方です。
なかでも、300万円から1億円へのブレイクスルーを支えたのが、以下の4つの投資法です。
要点は次のとおりです。
① 新高値ブレイク投資(2年で300万→3,000万の原動力)
年初来高値や上場来高値の更新は、需給と注目が一点に集まるシグナルです。
出来高の急増が伴うことで、「買いが買いを呼ぶ」流れが生まれます。
著者は、明確なブレイク条件と損切り・利益確定のルールを事前に設定することで、「伸びる波だけに乗る」ことを徹底。
負けを小さく、勝ちを大きくする、モメンタム投資の王道手法です。
これが初期の資金を爆発的に増やす原動力となりました。
② 株主優待「需給」投資(3,000万→5,000万へ)
株主優待の権利確定日前後に需給が偏る銘柄を狙い、イベントを利用して利益を積み上げるアプローチです。
カレンダーに沿って動くため、スケジュール管理と過去のデータ分析が鍵となります。
著者は、優待内容、株主構成、過去の値動き、貸借状況などを分析し、再現性の高い勝ちパターンを確立しています。
③ 新高値ブレイク+ROE投資(5,000万→1億円の加速装置)
値動きの強さ(モメンタム)に、
収益性の高さを示すROE(株主資本利益率)などの指標を組み合わせる発想です。
「強い上昇の中でも、質の高い銘柄だけに集中する」ことで、業績の裏付けがある銘柄を選定。
これにより、上昇の「腰の強さ」を見極め、保有期間を最適化できます。
④ 決算モメンタム投資(テクニックの深掘り)
決算発表直後に起こるサプライズ(上方修正、好調なガイダンス、受注増加など)によって引き起こされる需給の偏りを、
初動から第二段階の上昇まで取りきる手法です。
決算書を読み解き、
ガイダンスの「行間」を読み、コンセンサスとの乖離をパターン化することで、初速が鈍い「出遅れ強材料」も逃さず利益につなげます。
なぜ「給料に手をつけず」に増やせたのか?(資金管理の核心)

著者が追加資金なしで資産を増やせた鍵は、「資金の移動速度」にあります。
勝てる可能性が高いところに資金を厚く配分し、負けは素早く損切りする。
むやみにフルベットするのではなく、勝率や期待値に応じて投資サイズを変える。
「資金を止めない・寝かせない」という考え方が、複利効果を最大限に押し上げたのです。
著者はどんな人?

kenmoさん(湘南投資勉強会)は、1982年生まれの個人投資家。
2011年に元手300万円で投資を始め、5年で資産1億円を達成しました。
2025年現在、運用資産は約3億円。現在は勉強会を主宰したり、IR支援や講演を行ったりと、幅広く活動されています。
※注意:本書の著者と、片山晃(五月)さんの近著『改訂版 勝つ投資 負けない投資』は別物です。混同しないようにご注意ください。
すぐに実践できる「型」のヒント4選

① ウォッチリストの設計
新高値候補、優待需給、決算サプライズなど、手法別に銘柄を管理する。
② 「買いのトリガー」の言語化
価格、出来高、ニュース、板の厚さなど、購入の条件を具体的に文章で書き出す。
③ 「手仕舞い」の二刀流
イベント終了といった時間軸と、価格変動といった価格軸の両方で、出口を固定する。
④ 記録・検証・改良
成功したパターンに条件を追加し、失敗したパターンを禁止条件として更新し続ける。
こんな人にこそ読んでほしい
- NISAの積立だけでは、資産の伸びに物足りなさを感じている人
- ファンダメンタルズもテクニカルも「どちらも少しは分かる」けれど、自分の武器が定まらない人
- イベントドリブンやモメンタム投資を、これから体系的に学びたい人
読む前に知っておきたい「注意点」
本書の手法を実践する上で、いくつか注意すべき点があります。
「型の厳守」が不可欠
ルールを自己流にアレンジすると、期待値が崩れてしまいます。まずは型を厳密に守ることが重要です。
資金ショートのリスク
優待需給や決算モメンタムを狙う手法は、いったん逆回転すると動きが速いです。
常にポジションサイズを管理し、リスクをコントロールしましょう。
相場環境に左右される
モメンタム投資は、相場の勢い(地合い)に影響を受けます。
地合いが悪い時は、無理せず休むのも大切な戦略です。
まとめ:5年で1億を目指す株式投資!?
4つの手法を一度にすべてマスターしようとすると、かえって混乱してしまいます。
著者がたどった順序にならい、
「新高値ブレイク」→「優待需給」→
「ブレイク+ROE」→「決算モメンタム」と、
1つずつ階段を上るように身につけていくのが効率的です。
まずは最初の3か月間で、
「買い・売り・撤退」のルールを文章化し、毎週末に検証ノートで改善しましょう。
「速く・小さく・何度も試す」という姿勢が、5年スパンで大きな複利効果を生む最短ルートになります。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
コメント